
かつて、この国には正解がありました。
仕事・教育・遊び・買い物・老後など、 あらゆる生き方において、 そこに幸せの指標が存在していたからです。
しかし、この平成30年間で、世界は大きく変わりました。
不安定で、不確実で、複雑な社会を、私たちは生きなければならなくなりました。
大きな企業や権威など、これまで当たり前と思っていたものが、次々と崩れていくさまを、目の当たりする日々でした。
目に見える物理的な変化というよりは、私たちを取り巻く「空気」の変化と言って良いかもしれません。
そこにはもはや、確実な幸せというものは存在しません。
誰に聞いても、正解は教えてもらえません。
もしかすると、自分の「ココロ」がどう感じるのか、それが唯一の指標となる時代になったのかもしれません。
そして、その「ココロ」は、形がないもの・測ることができないものでした。
しかし、近年の急激な科学の発展とともに、「脳」の活動を通して、そのメカニズムが少しずつ解き明かされるようになるつつあります。
もしも「脳」の働きを踏まえながら、「ココロ」の有り様を整えることができるのならば、この正解がない時代でも、私たちはより良い方向へと、自らを導いていくことができるようになるかもしれません。
『ニューロマインド』は、仕事や子育てを行う現役世代に向けて、「脳(ニューロン)」と「ココロ(マインド)」に関する最新のサイエンスやテクノロジー、あるいは哲学を分かりやすく届けることで、より良い毎日を送るための助けとなるメディアです。
難しい時代を、しなやかに、私らしく生きるヒントを。
令和元年。
『ニューロマインド』を創刊いたします。
ニューロマインド編集長 齋藤 理