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ゲームにのめりこむ子どもの姿に頭を悩ます親は多いだろう。特に家で過ごす時間が増えた今、その悩みは深くなるばかりだ。そんな中、世界保健機関(WHO)によって「ゲーム障害」が“正式な疾病”と認定され、その診断ガイドラインがまもなく日本でも導入される。この疾病認定に尽力したのが、10年以上前にインターネット依存専門外来を開設以来、子どものゲーム依存に向き合ってきた久里浜医療センター院長の樋口進先生だ。ゲーム依存が国際的な疾病と認められて治療の現場はどう変わるのか? 「想像以上に深刻だ」という子どもたちのゲーム依存の実態や対処法も含めて、お話を伺った。

「インターネット依存」や「ゲーム依存」という新しい依存を耳にすることが多くなりました。中でも「ゲーム依存」がWHOに“正式な疾病”と認定されていたと初めて知りました。

今日は「ゲーム依存」認定の背景とともに、初めは親に無理やり連れてこられたような子どもたちがどう治療に向き合っていくのかや、予防として家庭内で気をつけてほしいことなど、治療現場のお話も一緒にお伝えしていきますね。

“病気”と認められ、初めて世界共通の診断ガイドラインがつくられる

——まずはゲーム依存について教えてください。どのような定義で「依存」と診断されるのでしょうか。

依存というのは、特定の何かに心を奪われ、それを追い求めるために行動が行きすぎてしまうことです。代表的なものにアルコールやニコチン、ギャンブル依存があります。これらは趣味の範囲でのめり込む分には問題ありません。

趣味と依存の境界線は、その人が本来送るべき社会生活が送れなくなったり、健康が悪化したり、暴言や暴力といった家庭内トラブルが出てきたり、そういったさまざまな部分で生活に問題があらわれてくるかどうかです。こうした問題が見られた場合には、依存が疑われるでしょう。

患者さんにも「過剰使用によって問題が明確に出てきたら、それは依存です。」と伝えています。

ゲーム依存も基本的にはこれらの依存と同じです。また、依存の症状が見られる際に起こる脳内のメカニズムは長年研究されてきたのですが、ゲームにのめりこむ患者さんたちに、それと似たメカニズムが見られることがわかってきました。このようなエビデンスから、「ゲーム依存」が疾病認定されることになりました。

——過剰使用で問題が生じてくるかどうかが決め手なのですね。ゲーム依存がWHOに正式な疾病と認定されたということですが、具体的にはどういうことなのでしょうか。

世界保健機関(WHO)が作成する国際的な病気の分類に「ICD」というものがあります。たとえば、「インフルエンザ性胃腸炎」は現状のICD-10ではコード「J118」で示されます。この基準があると何が良いかというと、言語が異なってもコードを元に治療の会話ができたり、各国の統計データを共有・比較できるなどのメリットがあります。

この「ICD」が約30年ぶりに改訂され、最新の「ICD-11」で「ゲーム症/ゲーム障害」が新たに疾患として加わりました。2019年5月にWHOの年次総会で承認、2022年1月に正式に発効されたので、まもなく日本国内で適用が始まります。

WHOの担当官に直談判! 疾病認定に向けて6年にわたり働きかけた思い

——先生はWHOが作成する病気の分類である「ICD」にゲーム依存を病名として入れるべく、6年にわたって働きかけをされてこられたとのことですが、その背景を教えてください。

まず、私がそもそも依存症に関心を持ったのは、研修医時代にアルコール依存症の入院患者さんに出会ったことがきっかけです。当時は治らない病気とみなされ、積極治療はされずに退院していくケースがほとんどでした。そこから依存症の治療に疑問を抱き、40年以上その治療に関わってきました。

インターネット依存の専門治療を開始したのは2011年ですが、始めてみて、患者さんの重症度の高さに愕然としました。元々ゲーム依存が深刻化していた韓国で研修をしたり、論文を読んで勉強していたものの、症状が想像をはるかに超えていたのです。

患者さんはもちろん、ご家族も本当に大変な思いをされているのを知り、治療や予防研究をもっと進めないとならないと感じました。そのために必要だったのが、公式な疾病分類として「ゲーム依存」を認定してもらうことです。認定されていないままだと、どうしても研究が促進されづらい状況がありました。

——40年以上、依存症の患者さんと向き合ってきた先生が、ゲーム依存の方を見て、これは「疾病」と認定されるべきだと思われたのですね。

そうですね。久里浜医療センターはWHO研究研修協力センターに指定されていたので、WHOのなかでも特に依存に関する会議に参加し始めたのですが、2013年にジュネーブで開催された会議で、大きなショックを受けたのです。

改訂が決まっていた「ICD-11」の草案に、インターネットやゲーム依存がまったく含まれていないと知ったからです。会議が終わった後に担当官と話をしてみても、何ともなりそうにない。次の改訂はおよそ20年後…。そのまま引き下がるわけにはいかず、自分が見てきたものを伝えて、プロジェクトとして検討してみようという約束をなんとか引き出しました。病名が確立できるかどうか検討することになったのです。

——20年も待つわけにはいかない…と、WHOの担当官と必死でかけ合ったのですね。2019年のWHOの総会までどんな活動をされたのですか?

そこから東京で国際会議が開催され、さまざまな国の協力も得られるようになり、次第にゲーム依存に関するエビデンスが蓄積されていきました。もちろん全てがスムーズにいったわけではありません。反論される立場の方もいます。

でも、なんとしても2019年のWHOの年次総会で承認されなければならないと感じていたので、臨床研究を積み上げながら、さまざまな学会に賛同をお願いしました。その結果、世界中の80以上の学会から賛同いただくことができました。そうして、その賛同の手紙をWHOのテドロス事務局長にお送りして、ついに「ゲーム障害/ゲーム症」として認められることになったのです。

——6年かけて、そこまでたどり着いたのですね。正式な病気と認定されたことで、ゲーム依存の治療はどのように変化していくのでしょうか。

正式な病気と認められると、WHOによる診断ガイドラインがつくられます。診断の基礎ができるというのがとても大きなことで、それをもとに治療や研究、予防対策がぐっと前に進んでいきます。すでにゲーム障害に関する論文も一気に増えてきています。

ICDは医療機関や行政機関などで広く利用されているものです。病気の当事者にとっても、ICDに基づく診断を受けることで、適切な治療はもちろん、教育的な支援、福祉的な支援も受けやすくなります。

患者の半分は中高生。オンラインやシューティング系ゲームが依存度大

——ここからは具体的にゲーム依存についてお伺いしていきます。ゲーム依存の患者さんはどのような方が多いのですか?

私たちのところへ来られる患者さんの約70%が未成年者で、全体の半分は中高生です。

どんなゲームでも依存しやすいというわけではなく、依存に陥りやすい種類というのがあります。その一つがオンラインゲームで、この種類のゲームの登場によって、ゲーム依存が急激に増加しました。それから、シューティング系のゲームも依存性が高いです。こうしたゲームは、インターネットでつながってグループをつくって対戦できるので、そこでの人とのつながりが、ゲームから離れられない要因にもなっています。

一方で、昔ながらのオフラインゲームや、パズル・育成系のゲームなどは、それほど依存度は高くならない傾向ですね。

——ゲーム依存に男女差はあるのでしょうか。

圧倒的に男性が多いです。当院に来られる方でいうと、男性10〜15人に対して女性が1人程度でしょうか。

この要因として、まず男の子の方がゲーム好きが多いということが挙げられます。女の子はゲームよりSNSにはまるケースが多いのですが、それで病院に連れてこられるほど悪化することはまれですね。

好むゲームにも男女差があります。男の子の場合、先ほどお話したようなシューティングゲームが非常に人気な一方、女の子は何かを育てていくような育成系のゲームを好みます。この違いも大きいのではないかと考えています。

ADHD、うつ、社交不安…必要なのは依存の背景にあるものを理解すること

——この10年間で患者さんの数や実態に変化はありますか?

厚生労働省研究班が2018年に、「病的なインターネット依存が疑われる中高生が5年間でほぼ倍増し、全国で93万人に上る」というデータを発表しました。

私たちは10年前にインターネット依存の専門外来を開設しましたが、開設以来、私たちのところには全国から患者さんがやって来られます。

想像以上に重症度の高い方が多いことはすでにお話しましたが、もう一つゲーム依存の患者さんに見られる傾向として、うつや社交不安、いじめなど、背景に別の問題を抱えている方が多いこともわかってきました。

ゲーム依存の診断がつく人の中で一番割合が高いのは、ADHD(注意欠如・多動症※)の方です。はっきりと診断がつく方が15-20%くらい。傾向のある方も含めると、その倍くらいになる印象です。

ADHDの症状の一つに衝動性があるのですが、これは自分をコントロールしたり、我慢することが難しいという特性です。それがゲームの過剰使用に直結することがあります。また、不注意や多動によって対人関係がうまくいっていない場合、ゲームに逃げ込んでしまう姿も見られます。ほかに、自閉スペクトラム症の方も一定の割合でいらっしゃいますね。

——ADHDやうつ・社会不安など、ゲーム依存の背景には別の問題がある場合が多く、その両方に向き合っていく必要があるということですか?

その通りです。そのため治療は、その方がどんな状況で、どんな心の問題が隠されているのかを理解することから始めます。当院では、医師と心理士がペアになって治療にあたるケースが多いです。

心理士は、患者さんと2人になって、ご本人がどんなことを考えているのか、ゲームの問題をどうとらえているのかなど、細かくいろいろなことをお話します。

いくら重症であっても、スマートフォンなどのデバイスを取り上げたり、Wi-Fiを切ってしまったり…といった向き合い方はうまくいきません。むしろ患者さんが大暴れするような事態になる。そうではなくて、どうやったらうまく付き合っていけるかを一緒に相談しながら、実行していこうと話していくのが大事です。

※ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつ。

子どもの依存治療で大切なのは「ドロップアウトさせないこと」

——治療についてもう少し具体的にお聞きしたいのですが、患者さんが未成年者の場合、大人の治療とはアプローチも異なるのですか?

そうですね。最初は、無理やり親に連れて来られる場合が多いので、患者さんご本人は大変不機嫌です。そこから治療に向き合ってもらうのですが、依存の治療というのは、ドロップアウトを防ぐということがとても大事なんですね。コンスタントに外来に来ていただかなければ治療が進みません。

子供たちは正直なので、嫌だったらすぐに来なくなります。それをどう止めるのか。たとえば雑談をしたり、身振り手振りを使ってコミュニケーションを取るなど、なるべく安心してもらえるように心がけます。

——そうはいっても、子どもはのめり込んでいるゲームからなかなか離れたがらないように思えますが。

親に無理やり連れて来られるわけですから、当然最初は抵抗します。「自分の将来なんてどうなってもいいんだ!」という子もいます。しかしどの子も必ず、心の奥底では「このままではいけないかもしれない。」という思いを持っているんです。治療では、丁寧に話を聴いて関係性を築いていきながら、本人のそうした思いを引き出していくのです。

あとは、親に対してはどうしても甘えてしまうものですから、親からするとどうしようもない状況でも、心理士などの第三者と話すと、素直に向き合ってくれるケースも多いです。その意味では、友達の一言でガラリと気持ちが変わって治療に向かえるようになることもあります。

それから、ゲーム依存の患者さんは、外に出ないでゲームをしているケースが多く、体力の低下など健康問題も見られます。そのため、身体の検査を2〜3回実施し、その結果も併せて治療の必要性を感じてもらって、方向性を決めていくケースもありますね。

実際の治療のスタートまでにはご本人も打ち解けて、治療の必要性を感じていただけようになることが多いですね。

——少しずつ向き合う気持ちを引き出していくのですね。外来治療とカウンセリングという基本治療のほかには、どんな手法があるのでしょうか。

たとえば、NIP(New Identity Program)といって、インターネットなしで過ごす楽しみを見つけていただくことを目的とした活動があります。バトミントンや卓球などの運動をした後に、食事を一緒に食べながら最近の近況をみんなで話します。

「学校に行き始めた」「アルバイトを始めた」「ゲームの時間がちょっと減った」「やっぱり学校に行けない」など、いろいろな話が出てきます。そして午後には認知行動療法をグループで行っていきます。

——グループでの治療は、ゲーム依存に効果的なのですか?

インターネットやゲーム依存の方は、現実世界で対人関係がスムーズにいかなかったり、コミュニケーションに不安のある方が多いです。また、インターネット上では友達がたくさんいるけど、現実ではほとんどいないという方も多い。そういう方に、いくらインターネットを減らしましょう、ゲームを減らしましょうと言っても、難しいんですよね。

なので、バーチャルでない現実の生活でのつながりを少しずつ広げながら、ゲームの時間も同時に減らしていく。この両方が得られると、治療が安定してきます。要は、現実の世界での楽しみも見出してもらうということです。

そういう意味で、インターネットやゲームのない場所でグループで過ごし、少しずつコミュニケーションへの自信を得ることは大切なのです。

——リアルな場所で人と関わりながら、コミュニケーションの自信をつけていくのですね。

他にも、入院やキャンプでの治療も行ったりもしています。患者さんの状況をゆっくり見ながら、ご本人に合うものを見つけ、少しずつ前に進めていきます。

——治療のゴールはどこに設定するのですか? 完治というのもちょっと難しそうなイメージです。

何をもって完治ととらえるかは、なかなか難しいですね。アルコールや薬物の場合は、完全にやめ続けるというのが一番安定的な治療目標になりますが、ゲームやインターネットの場合、それが成り立ちにくい。

インターネットがない世界はまずあり得ませんし、ゲームをゼロにするという選択も相当無理があります。こういうアプローチをすると、治療からドロップアウトするケースが非常に多くなります。

——今の世の中、インターネットやゲームがゼロというのは現実的ではありませんね。

ですので、治療の目標は、ゲームをしながらでも社会生活がちゃんと送れて、本来やらなければいけないことをきちんとできているという状況、そこを当面の目標にしましょう、という場合が多いです。もちろん、そこまでたどりつくのも簡単ではないのですが。

繰り返しになりますが、ゲーム依存の治療では、現実でのコミュニケーションの自信をつけたり、リアルな友達を作ったりすることが重要なのです。

親は模範になっている? ルールづくりは子どもとの“妥協の産物”を着地点に

——依存症になる前に本人の意識がけや家庭でできることはありますか?

依存症になる手前、過剰使用レベルで止めることができればいいのですが、これがなかか難しい。特に子どもたちは自分の状況を客観的にとらえたり、自己コントロールすることがまだ得意ではありませんから。

そんな中で大切なのは、やはりルールづくりだと思います。主には、時間、場所、お金(課金)ですね。

——時間、場所、お金。確かにゲームに関するルールづくりは悩ましい課題です。

まずは時間ですが、親は心配なあまり、かなり短い時間を要求してしまいがちです。けれども、子どもたちからすれば、当然受け入れられないような話で、結果うまくいきません。

17時から18時は宿題をして、18時は別の勉強をして、それが終わったら夜ご飯の前だけゲームをしていい…など細かく決めすぎても守れない。それよりも、一つ大きなことだけ決めてください。たとえば「終わる時間」などですね。例えば21時以降はゲームをしないようにする、といったことです。

それから、場所。1人の空間にスマートフォンやゲーム機器を持ち込まないといったルールも、比較的有効だと思います。ゲームは家族がいるリビングでやろうね、と決めてみるのもいいでしょう。

それからゲームに関しては、お金の問題が結構出てきますよね。課金も絶対にダメだと決めつけず、「課金してもいいけれど、おこづかいの範囲内だよ」など、少し柔軟にルール化してもいいと思います。

——なるほど。ルールは細かくしすぎず、大きなところを決めていく。

守れない約束なら、むしろない方がいいです。大事なのは、本人が守れると思える目標であること、そして本人に守る姿勢があることです。

そのためには親から一方的に押し付けるのではなく、子供たちの言い分をしっかり聞きながら“妥協の産物”としてルールを考えてみてください。

そして、私が何より大切だと思うのは、「親も一緒に約束事を守る」ということです。

——親も一緒にルールを守る?

そうです。そもそも子どもたちには厳しく注意するのに、親はダラダラとスマートフォンを見ているということが、実は非常に多いのです。そういう姿を子はよく見ています。

ですので、親自身もスマートフォンを使う時間を決めて、それを実行する。そうすると子供も踏ん張りがきくので、こうしたご家庭は治療もうまくことが多いですよ。やはり親が模範を示していくというのは、とても大事なんですよね。

——確かに、子供にはガミガミ言うのに親はスマートフォンを使い放題では、子どももルールを守る気がなくなってしまうかもしれませんね。

子どもは押し付けられると反発するけれど、自分で決めたルールなら守ろうとします。そうした気持ちにうまく寄り添えるといいですね。

そういう意味では、子供同士で話すのも効果的です。学校でも、スマートフォンの使い方について、ぜひみんなでぜひディスカッションしてほしいですね。学校の現場が困っていることは間違いないので、子どもたちで話し合う場があるといいなと思います。ご両親とはなかなか話さない思春期の子供にとっても、有効になるはずです。

「マンパワーの育成が不可欠」依存治療の発展のために願うこと

——ゲーム依存の治療について、依存で悩む方に「治療の場」へ来てもらうためにどうすればよいかお聞かせください。

最初はご本人が自ら受診するというのは簡単ではないので、周囲、特に親御さんがゲーム依存とはどういうものかを理解することが大切です。治療を受けられる医療機関も少しずつ増えていますし、全国に精神保健福祉センターがあるので、そちらに問い合わせていただくと、対応の医療機関を教えてもらえます。

それから、困ったときにすぐ電話で相談できるような相談システムがもっと必要ですね。

——確かに、電話でまず相談できればハードルは下がりますね。

それに欠かせないのはマンパワーの育成です。私たちも毎年、相談対応者への研修を行っていますし、現場で治療する医療者やカウンセラー、教育現場に関わる方の育成にも注力しています。ただ現状では、マンパワーの育成はまだまだ不十分です。

それに加えて研究者の数もまだまだ少ないことを考えると、依存治療に関しては「全部、足りていない」というのが正直な今の実感です。治療の現場はもちろん、予防や研究においても若い世代の育成が急務だと考えています。

テクノロジーの進化に伴って、これからも新たな依存症が出て来る可能性は大いにあり、依存治療の予防研究は必要不可欠です。そのためにも、今回のICD-11の施行によって、医療や行政、教育など、さまざまな立場からこの問題に取り組んでいく流れが大きくなることを願っています。

WHOに病気と認定されることがどれほど大きいことか、先生のお話から知ることができました。「大人こそ模範を」という言葉も肝に銘じたいと思います。

私たちも「ゲームをやめてください」と簡単に言うつもりはありませんが、過剰になりすぎると問題が出てくるのも事実です。依存への知識をちゃんと持ち、うまく付き合う方法を身につけてほしい、そう考えています。

(聞き手・編集:秦 正顕、撮影:植原 みさと、文:佐野 佳代子)

樋口 進(ひぐち すすむ)/独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 院長
1979年東北大学医学部卒業。 慶應義塾大学医学部、国立療養所久里浜病院を経て、 2011年 独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター 院長に就任。依存症対策全国センター長、WHO物質使用・嗜癖行動研究研修協力センター長、慶應義塾大学医学部客員教授、藤田医科大学医学部客員教授も務める。インターネット依存症・ギャンブル依存症・アルコール依存症の診療に携わりながら、うつ病、パニック障害、統合失調症等の一般精神疾患も幅広く診療している。「ゲーム・スマホ依存から子どもを守る本」など著書多数。