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最近、「内省」や「リフレクション」という言葉をよく耳にするようになりましたね。

ざっくりと「自分の行いを振り返って反省すること」と理解していますが、奥が深そうですね。

今回は「内省」について、「反省」との違いや内省のメリット、鍛える方法についてご紹介します。

内省・リフレクションの意味とは?

「内省(ないせい)」とは、「リフレクション(英語:Reflection)」とも呼ばれ、自分自身の行動や内面を客観的、批判的に省みることを意味します。ギリシャの哲学者のプラトン、ソクラテスの時代から、哲学の概念として存在しており、ソクラテスは、「汝自身を知れ」という名言を残しています。

近年、内省・リフレクションは、会社における社員の自律性の促進や組織としての生産性向上など、人材育成の分野でも役立つ力として世界中に広がっており、日本でも、経済産業省が平成30年に提唱している『人生100年時代の社会人基礎力』において、“キャリアを切り開いていく力”の一つとして盛り込まれています。(※1)

「内省」の目的は、自分の全ての経験から学びを得て、未来の意思決定と行動に活かしていくことです。つまり「内省する」とは、あらゆる経験を「今後の人生のヒント」として客観的に振り返り、再び同じような事態に出会った時に、どのように対応していくかについて考えていくということです。(※2)(※3)

なぜ内省・リフレクションがビジネスで重要なのか

「内省」が、ビジネスにおけるキャリア形成や、リーダーに重要とされる理由は大きく2つあります 。(※2) (※4)

1.ミスや後悔を事前に防ぐため

内省をすると、「自分が今正しく仕事に取り組めているのか」「的確な方法で目標へ向かっているのか」など、キャリアを考える上での立ち位置や方向性を確認することができます。これを行なうことで、致命的なミスや、後で後悔する出来事を起きにくくすることができるのです。

2.過去の成功体験を手放すため

「内省」をすると、過去の成功体験から自分にどのような価値観、価値基準が作られ、そのうちどれが必要か、不要で手放すべきかを認識できます。だから、成功へのステップを着実に歩めるのです。

働き方がどんどんと多様化し、日々新しいテクノロジーが生まれているこの時代、数年前にはもてはやされていた職業が、突然不要になることも珍しくありません。この大きな転換期の中では、過去の成功体験と全く同じように行動しても、同じように成功できる可能性は低いでしょう。

人が成長し続けるためには、スキルや知識のみならず、自分の価値観、内面をもアップデートする必要があるということです。

価値観、内面のアップデート!重要なのは分かりますが、結構難しそうです。

そうですね。次に「内省」で得られるメリットを紹介します。

内省するメリットとは?リフレクションの効果

「内省」は個人の成長や進化だけに留まらず、リーダーとしての在り方、また人生を生きていく上でも大切なことだと言われています。

「内省」で得られる効果・メリットを、個人と企業という組織の単位に分けて考えてみましょう。

個人としての「内省」の効果・メリットは、自分の言動を振り返ることで、自分自身への理解が深まることにあります。客観的に自分を見つめることで、感情や行動をコントロールしやすくもなります。

さらに、内省はメンタル面や人格の形成にも役立つため、人間的な成長が期待でき、社会人としての自律性も自然に高まります。仕事への意識の変革やモチベーション向上など、心情の面で変化が起こり、これが積み重なって大きな進化につながっていくのです。

企業としての「内省」の効果・メリットは、社員の自律性が高まることにあります。一人一人が主体的に業務改善に取り組むようになるため、ミスやトラブルが減少。組織全体の力も底上げされるので、生産性の向上や、社内風土の改善も見込めます。

また、社員に客観的に物事が見られる視野が身に付くため、全体を冷静に見渡して判断できるリーダーの育成にもつながります。

結果として、会社組織全体としての強化につながっていくため、取り組む価値は十分にあります。

アメリカの第44代大統領であるバラク・オバマ氏のメンターであり、「世界一のメンター」の呼び声が高いリーダーシップ論の権威、ジョン・C・マクスウェル氏は、「内省」で得られる効果・メリットとして、下記の4つを上げています。

  • 自分の経験を「見識」として役立てることができる
  • 自分が「正しい道」をたどっているかを確認できる
  • 自分の核が分かる
  • 直観が冴える

この4つの力が得られるとするならば、リーダーの役割として、また人生においても「内省」が大きな役割を果たすということに、大いに納得できるのではないでしょうか。(※3)(※5)

「内省力」を鍛える5つの方法・やり方

ここからは、「内省力」を鍛えるための5つの方法についてご紹介します。
必ずしも順番に取り組む必要はなく、気になるところだけを取り組むのでもOKです。

0 . 内省の基本「認知の4点セット」でメタ認知を鍛える

まずはその前に、全ての基本となる「認知」を整理するためのフレームワーク「認知の4点セット」についてご説明します。なぜなら、自分の認知を整理することが、内省を深める助けとなるからです。

「認知の4点セット」は、組織学の権威ピーター・M・センゲが『学習する組織』で提唱した、自分の内面を可視化するメソッド。具体的には、「意見」「経験」「感情」「価値観」という「認知の4点セット」を使って内面を可視化していくというものです。

このフレームワークの目的は、「メタ認知」の能力を高めることにあります。「メタ認知」とは、「自分が頭を働かせた行動全て」を意識して「一段上から俯瞰してとらえる」ことを意味しています。自分の行動、思考などを客観的に把握し、「意見」「経験」「感情」「価値観」に分けて可視化することで、自分の内面を深堀りしていくのです。

フレームワークを例で見てみましょう。
リモートワークに対する「好き」「嫌い」という認知について、二人の人物で比較してみましょう。AさんとBさんは、どちらもリモートワーク経験者で、オンライン会議の実施経験があります。そんな二人のリモートワークへの認知を「認知の4点セット」で可視化します。()の中の質問を自分に問いかけてみてください。

  • 「意見」(それに対するあなたの意見はなんですか?)
  • 「経験」(その意見の背景には、どのような経験がありますか?)
  • 「感情」(その経験には、どのような感情が紐づいていますか?)
  • 「価値観」(そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?)
●「意見」(それに対するあなたの意見はなんですか?)
・Aさん リモートワークが好き
・Bさん リモートワークが嫌い
●「経験」(その意見の背景には、どのような経験がありますか?)
・Aさん オンラインで直接会えない分、より相手の状況を理解しようと丁寧に言葉に耳を傾けることができた
・Bさん オンライン会議だと自分の発言が細部までうまく伝わらない
●「感情」(その経験には、どのような感情が紐づいていますか?)
・Aさん 安心・発見
・Bさん 焦り・いらだち
●「価値観」(そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?)
・Aさん 部下との信頼関係を大切にしたい    
・Bさん 自分の意見を相手にきちんと伝えてわかってもらいたい

二人それぞれに、全く違う価値観が浮かび上がりました。フレームワークを通じて自分の行動、思考が客観的に把握できることがお分かりいただけたでしょうか。

これを基本にして、「内省」を鍛えるための5つのステップについてご紹介します。

1.自分を知る「内省」

自分を知るための「内省」のテーマは、自分の行動の元となる「動機」の源を知ることです。「動機の源」とはすなわち、自分がやりがいや喜びを感じる理由のこと。同じ職業についていたとしても、「動機の源」は一人ひとり違いますよね。例えばあなたが何か大きなプロジェクトで成果を出した時、うれしい理由は何か考えてみてください。その理由が「動機の源」であり、それを知ることで自分の価値観が明らかになり、「自分軸」が生まれます。

自分を知るための「内省」の方法はいくつかありますが、簡単なものとしてキーワードから考える方法があります。下記のキーワードリストの中から最も大切なものを選び、そのキーワードを、さきほどの「認知の4点セット」の「意見」として、4点セットの質問に答えてみてください。

<キーワードリスト>

バランスのとれた生活/職業上の行い/チャレンジ/勇気・リスクテイク/職業上の成長/社会的問題/名声・成功/パワー/影響力/正直/自己理解/オープンさ/良い人間関係/勤勉さ/孤独/瞑想/他者支援/仕事そのものの喜び/効率/物質的豊かさ/自立・独立/仕事の質/好奇心/指導・育成/広範囲の関心/専門分野での評価/創造性・独自性/指導・育成/信条/真実の追求/成長・学習(※2)

いかがでしょうか。自分が大切にしている価値観が見えてきましたか?

このフレームワークは、グループで実践することも推奨されています。それぞれの結果を共有して、違うキーワードを選んだ人の話、同じキーワードでも違う答えを出している人の話を聞くことで、よりはっきりと自分の価値観を認識できるからです。

そして、自分が大切にしている価値観は、「特に情熱につながる」と感じるものを、リストにしておいてください。仕事に疲れた時、リストを見返して自分の「動機の源」を満たす行動を取れば、再び前向きに仕事に取り組めるようになります。

「情熱につながる」リスト、いいですね!早速作ってみます。

ネガティブな気分に囚われてしんどい時に、頼れるものがあると良いですよね。

2.ビジョンを形成する「内省」

次は、ビジョンを形成する「内省」です。ステップ1で発見した「動機の源」を、ビジョン・目的を形成するための原動力にしていきます。

ビジョンと聞くと壮大なものを想像されるかも知れませんが、「担当する書類仕事の効率を上げたい」など、細やかな願いも含めて、自分が実現したいことを全てビジョンと捉えてください。

さて、ビジョンを形成するためにはまず、ネガティブな感情にスポットを当てる必要があります。あなたが「動機の源」が満たされていないと感じる時は、何らかの不満、課題を認識しているのではないでしょうか。

あなたの心の中には理想の「ありたい姿」があり、その姿と違うから不満、課題を認識しているのです。そして心の奥底では、「ありたい姿」の実現を願っています。

この「内省」では、心の中にある「ありたい姿」=「ビジョンの種」を、本物のビジョンへと変えていきます。

ビジョンを形成すると、現状と理想のギャップを埋めたり、現状を変えたいという気持ちが強くなり、潜在的な能力の高まりや行動につながります。

そして「動機の源」が創造力をかきたてて、課題を解決していくエネルギーが自分自身を突き動かしていくのです。

では早速、ビジョンのタネをみつけて、ビジョンを形成する「内省」をやってみましょう。

ここでは、ある自動車メーカーの営業チームのリーダーを事例にしてみます。

<ネガティブな感情からビジョンのたねを見つける>

ネガティブな感情:チームのメンバーの業績が上がらない

→ビジョンの種(ありたい姿): チーム全員が売上目標を達成し、活き活きと働いている

この「ビジョンの種」を、さきほどの「認知の4点セット」の「意見」として、4点セットの質問に答えてみましょう。

ネガティブな感情:チームのメンバーの業績が上がらない
→ビジョンのタネ(ありたい姿) チーム全員が売上目標を達成し、活き活きと働いている

この「ビジョンの種」を、さきほどの「認知の4点セット」の「意見」として、4点セットの質問に答えてみましょう。

●「意見」(あなたの意見は何ですか?)
チーム全員が売上目標を達成し、活き活きと働いて欲しい
●「経験」(その意見の背景には、どのような経験がありますか?)
自分自身が以前そのようなチームで働いていて、やりがいや充実感が感じられた。
部下にもそのような経験をして欲しい。
●「感情」(その経験には、どのような感情が紐づいていますか?)
やりがい・充実感
●「価値観」(そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?)
一人一人がやりがいや充実感が感じられるチームを創ること

いかがでしょうか。「ビジョンの種」から「価値観」までが可視化されることで、より明確に「ありたい姿」が見えてきたのではないでしょうか。それがビジョンです。ビジョンは困難に打ち勝つエネルギーを体の中から湧き出させてくれますので、ぜひ、さまざまな「ビジョンの種」で取り組んでみてください。

3.経験から学ぶ「内省」

ビジョンが「動機の源」とつながると、目的を持ってゴールに向かうパワーが湧いてきます。ですが、ビジョンを現実にするまでには、様々な困難が立ちはだかります。その困難を乗り越えるための方法が、経験から学ぶ「内省」です。

経験から学ぶ「内省」は、アメリカの教育学者デイヴィッド・コルブが提唱した「経験学習サイクル」を参考に取り組みます。(※7)

「経験学習サイクル」とは、

経験(どんな成功、失敗を経験したのか)
→振り返り(そこから何を学んだのか)
→法則を見出す(そこからどんな教育や法則を見つけたか)
→次の計画に活かす(次のアクションをどうするか)
という4つのプロセスを繰り返すことで、「経験から学ぶ力」を高めていくものです。

早速この「経験学習サイクル」に基づいて、内省をやってみましょう。

引き続き、自動車メーカーの営業チームのリーダーを例にとります。

サイクル1:計画

オンライン面談で、部下それぞれのキャリアビジョンを引き出したい

●「意見(仮説)」(計画を実行する前に、どのような仮説を持っていましたか?)
言語化できていなくても、部下はそれぞれキャリアビジョンを持っている。
●「経験」(その意見の前提となる過去の経験はなんですか?)
以前自分がキャリアビジョンが明確でなかった際に、上司の質問に答える形でビジョンがクリアになった経験がある。
●「価値観」(そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?)
部下の言語化を手伝い可能性を引き出したい

サイクル2:経験の振り返り

●やってみてどうでしたか?
オープンクエスチョンで質問して部下のキャリアビジョンを引き出そうとしたが、部下の数人はキャリアビジョンについて、特に考えていないことが分かった。
●その経験のなかでうまくいったこと、いかなかったことはなんですか?
(うまくいったこと)
今の仕事にやりがいを感じて働いており、成長の実感を持っていることが分かった。キャリアビジョンについては持っていなくても特に不安を感じていないことが判明した。
(うまくいかなかったこと)
キャリアビジョンについて考えるという習慣自体がないメンバーもいるということが分かった。そうしたメンバーにとってはビジョンを持つことを押し付けているように感じさせてしまったかもしれない。

サイクル3―1:経験からの学び

●計画はうまくいったと思いますか?うまくいかなかった場合は、経験前に戻れるとしたら何を変えますか?

うまくいかない部分もあった。オンライン面談前に、面談の趣旨を伝えておけばよかった。キャリアビジョンを持っていないメンバーは仕事へのエンゲージメントも低いと感じた。

サイクル3-2:法則を見出す

●この経験から明らかになったこと法則はなんですか。定義してみましょう。

部下が全員キャリアビジョンを持っているとは限らない。そもそも、キャリアビジョンを形成することの意味や意義を知らない人もいる。

サイクル4:次の行動計画を行なう

●学んだことを次の行動にどう活かしますか?

キャリアビジョンを持っていた方が中長期的な従業員の幸せにつながると感じるので、キャリアビジョンを形成する意味や意義を、部下に分かりやすく説明する機会を作る。そのために必要な資料を作成する。

いかがでしょうか。経験から学んだことを明らかにすることで、その学びを次にどう活かすかを計画できることが見えてきたのではないでしょうか。

ここで一つ注意しておきたいのは、「反省」と「内省」は違うということです。経験を振り返る際には、変えることのできない過去のあやまちを悔いて、つらい気持ちが蘇ってくることがあるかもしれません。

ですがこの「内省」の目的はあくまで、経験から学んだことを未来に活かすことです。経験から法則を見出して、自分の内面をアップデートし、次の計画に活かしていきましょう。

4.対話から学ぶ「内省」

ここでは「対話」を通じた学び方についてお話します。人間一人の認知では物事の側面しか見られず、判断も自信の経験や知識に依存しているため、どうしても偏りがあります。視野を広げ、より深く物事を考えるためには他者との「対話」が重要です。「対話」は学びを支える大黒柱となるものだと認識しましょう。

「対話」には3つのステップがあります。

  1. 自分の考えを「認知の4点セット」で「内省」する
  2. ①の結果の価値判断をいったん保留にする
  3. 他者の意見を「認知の4点セット」で聴き取って、共感する

では実際に、さきほどの営業チームのリーダーのビジョンのタネを元にした「内省」から考えてみましょう。

ステップ1:自分の考えを「認知の4点セット」で「内省」する

自分の考え=チーム全員が明確なキャリアビジョンを持つべき
●「意見」(あなたが実現したいことは何ですか?)
チーム全員が明確なキャリアビジョンを持ち、それに向かって成長していってほしい
●「経験」(その意見の背景には、どのような経験がありますか?)
自分自身が明確なキャリアビジョンを持って働くことで、成長につなげられた。
●「感情」(その経験には、どのような感情が紐づいていますか?)
やりがい・充実感
●「価値観」(そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?)
キャリアビジョンを持つことで自己成長でき、目標を達成できるので、キャリアビジョンは大切

ステップ2:「対話1」で得られた価値判断をいったん保留にする

ステップ3:者の意見を「認知の4点セット」で聴き取って、共感する

●「意見」(あなたが実現したいことは何ですか?)
キャリアビジョンを持つ必要はない
●「経験」(その意見の背景には、どのような経験がありますか?)
特に目標を持たなくても、今の仕事に一生懸命取り組むことにやりがいを感じている
●「感情」(その経験には、どのような感情が紐づいていますか?)
やりがい・充実感
●「価値観」(そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は?)
キャリアビジョンを持たなくてもやりがいのある仕事はできる

いかがでしょうか。この3ステップを自分と同じ意見の人はもちろん、違う意見の人とも行うことで、学びはより深まります。

1~3の「内省」と「対話」を実践することで、自分の外の世界にある事象を自分のものにして、自分の世界も広げていけるのです。

5.アンラーンする「内省」

「アンラーン(英語:Unlearn)」とは、過去の学び(成功体験)を手放すことです。「対話」によって、自分以外の人の意見も取り入れられるようになったら、「アンラーン」を身につけましょう。「アンラーン」は、自分の常識だけにとらわれない柔軟な思考を生み出し、新しい価値を創造するためにも役立ちます。

「アンラーン」をするタイミングは、何かに行き詰まった時です。現在のやり方でいいのか疑問が生じたり、何かやり方を変える必要があるのでは…と不安になったタイミングがその時です。

「アンラーン」では、自分の外に答えを探す前に、まず自分の内面を「内省」してみましょう。そして、自分のものの見方に問題がないかを確認してください。その後、全く新しいアイデアを取り入れた「アンラーン」後の世界をすでに生きている人の様子を想像したり、実際に会える人であれば話を聞いて、その世界を疑似体験してみましょう。

「アンラーン」では、新しいアイデアを無理やり受け入れるのではなく、その価値観を心から受け入れるために、その価値観に紐づけたポジティブな感情や経験を自分の中に確立する必要があります

そのためには、この「内省をする」という事前準備を必ず行いましょう。

なぜなら「アンラーン」した世界がきちんと腑に落ちていないと、いつの間にか元々の過去の成功体験に基づく価値判断に戻ってしまうからです。

「アンラーン」には3つの順番があります。

  1. 過去の成功体験の内省・リフレクション
  2. アンラーンの先にある世界を想像する
  3. アンラーンする

ではさきほどの営業チームのリーダーの事例で、実践してみましょう。

アンラーンstep1:過去の成功体験を「内省」する

●1-1 過去の振り返り

自分はこれまでキャリアビジョンを持って働くのが当たり前だと思っていた。

なぜなら「トップの営業成績をとって管理職になる」というキャリアビジョンを明確に持つことで、厳しい上司の𠮟責や顧客とのトラブルなどの苦難も乗り越えて成長してこられたからだ。そして実際に描いたキャリアビジョンを実現することで、やりがいや充実感を感じられた。

●1-2 過去の経験によって形成された価値観や判断基準

キャリアビジョンを描くことでやりがいや充実感を持って仕事ができる。

苦難にも打ち勝って成長できる。

●1-3 感情 成功体験に紐づく感情は何ですか?

やりがい、充実感、喜び

アンラーンstep2:アンラーンした先にある世界を想像する、アンラーンした世界に生きる人に話を聞く

キャリアビジョンを明確に持たず、「今ここ」の技術獲得に意識を集中している、ある職人さんに話を聞いてみた。

その方は遠くの目標など全く考えておらず、毎日コツコツ技術を積み上げることを意識することで、少しずつ成長している。そして、十分にやりがいと充実感を感じていた。

アンラーンstep3:アンラーンする

「誰もが明確にキャリアビジョンを持たなければならない」という、自分のものの見方は手放す必要がある。

キャリアビジョンを持つことでやりがい、充実感を感じる人、そうではない人を見極めて、部下に指導を行なっていこう。

いかがでしょうか。新しい世界を「自分ごと化」して、あらゆる判断において、その世界と一貫性のある価値観を持てることが「アンラーン」のゴールです。

「アンラーン」のための「内省」を実践すれば、自分の価値観レベルで変化を理解して、心から納得した上で「アンラーン」することができるため、能動的に変化に適応できます。(※2)(※5)

「内省力」を鍛える5ステップ、習慣にするまでは難しそうですが、うまく取り入れられたら、立ち止まることなく成長を続けられそうですね。

「内省」は今教育の世界でも注目されています。オランダではすでに、「認知の4点セット」を身に付ける教育を4歳から始めているそうです。今からでも間に合うので、内省力を身につけましょう!

アプリで、「メタ認知」をトレーニング。

「内省」の基本として重要な「メタ認知」のトレーニングを気軽にやってみたい、と思われた方には、専用のアプリで試してみるのもおすすめです。

毎日の心のセルフケアアプリ「Awarefy」は、毎朝の「チェックイン」毎晩の「チェックアウト」を通知する機能で、「セルフモニタリング」のタイミングをお知らせ。心と身体の状態を5段階で選択した後、メモとして「セルフモニタリング」した内容を残しておくことができます。

日々の「ジャーナリング」のために「感情メモ」機能も搭載。ふと感じたことを、対話するようにアプリに記録しておけば、感情や体調の変化、活動内容を見える化して、毎日の内省・振り返りを習慣化できます。

デジタル認知行動療法アプリ「Awarefy」

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監修:藤本 志乃
臨床心理士・公認心理師・マインドフルネス瞑想講師
教育相談、医療機関での活動を経て、2020年にウェルビーイングのためのカウンセリングルームLe:self(リセルフ)オープン。
気軽な心ケアとより良い生き方をコンセプトに、マインドフルネス、ACTのワークショップ・イベントを一般・企業向けに開催している。