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働く場所や一緒に働くメンバーとの関係性によって、モチベーションが上がったり、下がったりすることがあります。ときには「雨だから、気分が上がらない…」ということもあります。

共感します。モチベーションって案外周りの環境によって左右されやすいものですよね。今回は、モチベーションを管理のための「セルフモチベーション」の実践方法を学んでいきましょう!

テレワークが定着するなど、これまで当たり前とされてきた働き方が一変した今、従業員のモチベーション低下が問題となっています。そんなときに役立つのがセルフモチベーションです。変化の激しい時代のなかでも、高いモチベーションを維持しながら行動したい人は、これからご紹介する方法を参考にしてみてくださいね。

モチベーションとは?

心理学で「モチベーション(motivation)」とは、行動を起こさせ、目標に向かって維持する心理的機能のことをいいます(※1)。日本語に訳すと「動機づけ」です(※2)。

「モチベーション」=「やる気」ではない

モチベーションと聞くと「やる気」そのものをイメージする人がいますが、その2つは同義ではありません。それぞれの定義を改めて整理していきます。

・モチベーション……行動を起こさせ、目標に向かって維持する心理的機能

・やる気……物事をやり遂げようとする積極的な気持ちの状態(※3)

つまり、モチベーションは「行動する理由や行動に至る過程」であり、やる気は「行動を継続し続けるための力」と言い換えることができます。モチベーションがなければ、やる気は生まれません。

なお、やる気の出し方について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。

※参考記事:やる気が出ない時、自分や他人のやる気スイッチを押す7つの方法

モチベーションを構成する3つの要素

モチベーションを管理しやすくなるように、まずはモチベーションを構成する要素を理解することが重要です。

アメリカの作家ダニエル・ピンクは「モチベーション3.0論」のなかで、モチベーションの概念が「1.0→2.0→3.0」と大きく3段階で発展してきたと述べました(※4)。

(1)モチベーション1.0(生理的動機づけ)

生存するための本能的な動機づけのこと。例えば、「空腹を満たしたい」「他人に認められたい」など、生命維持に必要な行動を取ろうとする。モチベーションのなかで最も根源的なもの。

(2)モチベーション2.0(外発的動機づけ)

外部からの刺激で生まれる動機づけのこと。例えば、「〜すれば報奨金が出る」というアメ(報酬)や、「〜すれば上司に怒られる」というムチ(処罰)によってコントロールされること。

(3)モチベーション3.0(内発的動機づけ)

自分の内側から湧き上がるような動機づけのこと。本能や外部からの刺激は関係ない。例えば、「実力をつけたいから」「楽しいから」など自分の興味や関心、楽しみによって行動を起こすこと。

内発的動機づけの重要性

自分自身でモチベーションを高め、維持したいとき、内発的動機づけを意識するのがポイントです。

そもそも、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」によってもたらされる行動や成果には、次のような違いがあります。

・外発的動機づけの特徴:即効性はあるが、長続きしない

・内発的動機づけの特徴:即効性はないが、効果が持続しやすく、高まっていく

外発的動機づけは、目標に興味がない人の行動を促しやすく、短期間で行動を変えたいときに役立ちます。「報酬を与える」「罰を与える」など実施方法がシンプルでわかりやすく、実践しやすいからです。

ただし、求める水準以上の効果は得られにくく、効果は長続きしません。また、外部からの刺激に慣れてくると、効果が薄くなります。行動を持続させるには、より強い動機づけを行う必要があるでしょう。

一方、内発的動機づけは目標に対する強い興味・関心が必要で、実施方法が明確ではないため、即効性は期待できません。

しかし、高い集中力を発揮しやすく、困難な状況に陥っても諦めずに行動しやすくなります。達成感や喜びを感じるために目標を自分で決めて、「行動すること自体」が目的となるからです。また、効果が持続しやすく、その効果は徐々に高まっていきます。

よって、モチベーションを高めて成果を発揮し続けたいなら、内発的動機づけを意識することがポイントです。

なお、モチベーション維持に関わる「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

※参考記事:モチベーションとは?自分や部下のモチベーションを高めるエンハンシング効果、内発的動機づけなど

過去を振り返ってみると、たしかに自分の内側から生まれた感情に従って「〜したい」と思いながら行動したほうが、モチベーションを維持しやすかったような気がします。

内発的動機による行動は、目標や作業内容をより「自分ごと」として捉えやすくなり、持続しやすいそうです。また、内発的動機づけが強いほど、目標に向かって行動できます。ここからは、セルフモチベーションで内発的動機づけを高める方法をご紹介しましょう。

セルフモチベーションとは

セルフモチベーションとは、自分自身でモチベーションをコントロールすること、またはその手法のことです(※5)。

そもそも、モチベーションは身の回りで起きる「外的要因の変化」に左右されやすくなっています(※6)。例えば、働いていると上司が変わったり、今までとは違う仕事を任されたりと、何かしらの外的な変化が起こるはずです。それがネガティブに作用すると、モチベーションが下がることがあります。

しかし、そのような状況下でも、セルフモチベーションによって内発的動機づけを高めることができれば、モチベーションをある程度、維持できるでしょう。その結果、変化が激しい環境にいても、成果を安定して出せるようになるはずです。

セルフモチベーションの実践方法

モチベーションアップの方法はいくつかあるため、自分に合った方法を見つけましょう。

(1)明確な目標と達成後のイメージを持つ「SMARTの法則」

セルフモチベーションを効果的に行えるように、まずは目標を具体的な数値や行動まで落とし込み、明確にしておきましょう。「上司から評価される」などのあいまいな目標のままだとゴールをイメージしにくく、モチベーションを高めづらいからです。

目標設定では「SMARTの法則」が使えます。これはコンサルタントのジョージ・T・ドラン氏によって、目標達成の可能性を高める効果的な目標設定の方法として提唱されました(※7)。目標設定に、次の5つの要素を取り入れる方法です。

<SMARTの法則>

  • Specific(具体的)
  • Measurable(計測可能)
  • Achievable(達成可能な)
  • Relevant(関連性)
  • Time-bound(期限が明確)

その上で、目標達成後の自分をイメージします。このとき、目標達成によってもたらされる効果をイメージすることが重要です。例えば、「この企画が通れば、自分のやりたい仕事が回ってくる可能性がある」と想像してみます。そうすれば内発的動機づけが高まり、自発的な行動につながるはずです。

(2)小さな成功体験を積み重ねる「スモール・ステップ」

内発的動機づけの要素となる「自己効力感」を高めることで、報酬などがなくても自発的なやる気を促すことができます。

自己効力感とは、「自分ならできそうだ、できるかもしれない」と思える気持ちのことです。この気持ちが低いと「私にはできないかもしれない」と尻込みして、行動を起こしにくくなります。自己効力感を高めたいとき、アメリカの心理学者バラス・スキナー氏が提唱した「スモール・ステップ」が効果的です(※8)。

スモールステップとは、目標を段階ごとに細分化して、簡単な内容から少しずつ達成していき、最終目標に近づいていく手法のことです。難しい目標を達成したいときや、目標が難しく達成するまで時間がかかるときに効果的だとされています。

例えば、毎日10キロ走ることを目標にしている人は、「3日に1回、5キロ走ろう」と目標を小さくしてから取り組みましょう。大きな目標を立てて達成できないと、「自分にはできなさそうだ」と自己効力感が低くなるからです。一方、確実にできる小さな目標を少しずつ達成していけば、「自分ならできそうだ」と自己効力感が徐々に高まっていきます。

(3)好奇心を刺激したり、自己成長に注目したりする

やりがいを感じていた仕事で、昇進を強く意識した結果、仕事そのものを楽しめなくなってしまった……。このような状態にあるとき、内発的動機づけを意識してみてください。

例えば、本や雑誌などから仕事の関連情報を収集して、好奇心を刺激します。報酬や昇進ではなく、「自分の仕事力がどれくらい上がったのか?」など自己成長に目を向けるのも手です(※9)。

こうして内発的動機づけを意識することで、かつてのように楽しめるようになっていき、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。

(4)最悪な事態を具体的に想像する

明確な目標を立てた上で行動し始めても、「失敗するかもしれない」と不安を感じてモチベーションが下がることがあります。

そうならないように、失敗した場合に起こる最悪な事態を具体的に想像して、書き出してみましょう。それを可視化して客観的に眺めてみると、「取り返しのつかないことになると思っていたけど、案外大したことはなさそうだ」と思えるかもしれません。

また、最悪な状況が起きたときの解決策も書き出していきます。対処法が明確になるので不安を感じづらくなり、行動を起こすためのモチベーションを維持しやすくなるはずです。

(5)悩みや不安をアウトプットする

心理学では、自分のなかから悩みごとや不安を解放して浄化し、心の負担を軽くすることを「カタルシス効果」と呼びます(※10)。

頭のなかに浮かんだ、ネガティブな感情を紙に書き出していきましょう。そうすれば、余計なストレスを抱え込まなくなり、モチベーションを維持しやすくなるはずです。

また、信頼できる人に話を聞いてもらい、カルタシス効果を得る方法もあります。そのように周りの人に頼ってモチベーションを維持するのも、セルフモチベーションのひとつです。

アプリAwarefyを使って、モチベーションを高めよう

弊社が提供しているアプリ「Awarefy」では、セルフモチベーションに役立つ機能を搭載しています。

例えば、想像した最悪な事態を書き出したいときに使えるのが「つぶやきメモ」機能です(※11)。自由度の高いメモフォーマットに、浮かんだアイディアなどを書き込めます。任意でタグ付けができ、「もし失敗したら」などとタグを付けたメモを、タグごとに検索可能です。

また、悩みごとや不安を書き出して、カタルシス効果を得たいときに使える機能が「感情メモ」です。「感情メモ」には、もやもやした気持ちややり場のない気持ちなど、そのときどきの自分の感情や考えを簡単に記録できます(※12)。ぜひ、活用してみてください。

デジタル認知行動療法アプリ「Awarefy」

日々のメンタルケアを、アプリで取り組みませんか?

「Awarefy」は、日々感じたことを簡単に記録でき、感情や体調の変化を見える化します。マインドフルネス瞑想の実践や、心の働きについて学べる200種類以上の「音声ガイド」も充実。認知行動療法に基づく安心の機能で、あなたのメンタルケアをサポートします。

感情を見える化して、自分をもっと理解する。心のセルフケアアプリ「Awarefy」をぜひお試しください。

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Awarefy の Webサイトはこちら:https://awarefy.app/

もっと詳しく知りたい方へ:本の紹介

セルフモチベーションについて、もっと詳しく知りたい方向けに、おすすめの本をご紹介します。モチベーションの知識を吸収し、セルフモチベーションの実践に役立てましょう。

◆小笹芳央(著)『1日3分で人生が変わる セルフ・モチベーション』PHP研究所、2012

モチベーションを上げることから、無理なく持続する方法までを丁寧に解説している本。1項目は4ページのみで、3分あれば読める気軽な分量になっている。身体を鍛えるような感覚で、セルフモチベーションを楽しく実践したい人におすすめ。

◆野間健司(著)『セルフモチベーション・マネジメント 一瞬で情熱を創り出す技術』朝日新聞出版、2015

10万人以上が学び、有名企業でも採用されている最先端のビジネスモチベーショントレーニングを公開している。読みながらワークすることで、モチベーションアップのスキルを身につけられる本。

◆松本幸夫 (著)『強力なモチベーションを作る15の習慣』フォレスト出版、2011

25年間で15万人を指導してきた人気コンサルタントが、モチベーション・コントロール法を解説している本。誰でも簡単にやる気を高め、維持できる「4段階メソッド」を紹介している。

まとめ

モチベーションについて理解し、さまざまなモチベーションアップの方法を知ることで、モチベーションが低下したときに対処しやすくなります。変化の激しい環境にいても、安定した成果を出し続けたい人はセルフモチベーションを実践してみましょう。

セルフモチベーションにはいくつかの実践方法があることを知れたので、今後いろいろと試していきたいと思います。

人それぞれに、何がモチベーションになるのかは異なるそうです。いろいろなセルフモチベーションを実践してみて、「自分はこうすればモチベーションが上がるんだ」と把握することが大切なのだと思います。自分に合った方法でモチベーションを高め、維持していきましょう。


監修:藤本 志乃
臨床心理士・公認心理師・マインドフルネス瞑想講師
教育相談、医療機関での活動を経て、2020年にウェルビーイングのためのカウンセリングルームLe:self(リセルフ)オープン。
気軽な心ケアとより良い生き方をコンセプトに、マインドフルネス、ACTのワークショップ・イベントを一般・企業向けに開催している。